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一生忘れられない1冊!「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光著のジャンルは?【ネタバレあり】

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今、この「世界でいちばん透きとおった物語」という本を読み終わった勢いで書いています。

しばいん
しばいん

透きとおった物語?

透明人間の話?それとも、幽霊の話?

なんて、思考の浅い想像をしていた自分が恥ずかしい。

本当に、なんの先入観ももたずに読んでもらいたい作品です。

帯にも書いてあるとおり、

絶対に予測不能な衝撃のラストでネタバレ厳禁!!名作です。

電子書籍化絶対不可能!?

紙の本でしか体験できない感動がある!!

あらすじ

大御所ミステリ作家の宮内彰吾が死去した。

宮内は妻帯者ながら多くの女性と交際し、そのうちの1人と子供までつくっていた。

それが僕だ。

「親父が『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしい。

なにか知らないか」

宮内の長男からの連絡をきっかけに始まった遺稿探し。

編集者の霧子さんの助言をもとに調べるのだが・・・。

というあらすじになっています。

ジャンルはやっぱりミステリー

この物語は2つのミステリーが潜んでいます

ミステリミステリーミステリィ (英語: mystery)とは、(1)神秘不思議、(2)聖史劇神秘劇とも)、(3)推理小説などのフィクション作品を指す。

引用元:Wikipedia

ミステリーと検索すると、神秘、不思議、推理小説とでてきます。

物語は、死んだ父の遺稿を探すというものですが、実際は、ミステリー、推理小説です。

最後まで読み終わるとわかるのですが、この物語は、主人公 藤阪燈真とうまが書いている小説です。

この物語には2つのミステリーが潜んでいます。

1つは、大御所ミステリ作家である実の父親、宮内彰吾が亡くなり、

その遺稿である『世界でいちばん透きとおった物語』のある場所を見つけ出すため、

推理していくミステリー。

そして2つめは、死に際に、

なぜ、『世界でいちばん透きとおった物語』を書いていたのか、

その理由についても推理されていく、二重推理ミステリーです。

なぜ書いていたのかの理由については、敏腕編集者である深町霧子が、

物語の水面下で、推理をしていて、

最後の最後に浮上し、盛り上げるところがまたこの本の魅力ともいえます。

この小説のジャンルってなんだろうと考えると、ミステリー作家の父親の息子(不倫相手の子)が、書いている小説だから、ミステリーなのだともいえるのです。

『世界でいちばん透きとおった物語』のタイトルの意味がわかった瞬間、鳥肌がたった!

このタイトルの意味に2つの意味で気がついたのは、霧子が言った言葉、

「燈真さんが書けばいいんです。燈真さんの物語、ですから」(214P)

というセリフ。

しば子
しば子

はっっっ!!!

私は、「はっ」として、前のページ、その前のページ・・

最初から最後まで、パラパラパラ・・とめくりました。

えねる
えねる

(この小説)こわっっ

読み始めた瞬間から始まっていたとは、、やられたな・・。

ミステリーというかもうホラーかなと。

ぜひ、このあたりまで読み進めてもらいたい!

あなたはどこで気付けるか・・!

ミステリ作家宮内彰吾が、『世界でいちばん透きとおった物語』を執筆する上で、その執筆方法について教えを請おうとした京極夏彦先生は、実在する作家さんです。

京極夏彦先生の作品は、文章の読みやすさを可能な限り高めるため書法を徹底されているそうで、

一文がページのめくりをまたぐことのないように、ページ・見開きの末文で改行するよう構成されています

次は京極先生の本に挑戦してみます。

\\ 京極夏彦先生の著書 //

口コミ

知らない人にぜひおすすめしたい本です。

本当のネタバレ

注意

以下、ネタバレです。

「世界でいちばん透きとおった物語」の主人公である、不倫相手との子供である藤阪燈真が、小さい頃に脳の病気になり、その手術により、眼に後遺症が残ってしまいました。

その後遺症は、コントラスト過敏。

明るい部分と暗い部分の明暗の差に過敏になってしまう症状のことをいいます。

書籍を読むと、読んでいるページに透ける裏側の文字が普通の人より、透けて見えてしまうのです。

燈真は、子供の頃、その特殊な眼の性質により、読んでいた本の犯人が、裏側が透けて見えてしまいました。それが、きっかけで本を読むことが苦手になってしまいました。

しかし、その特殊な眼の性質は、物語の最後に、編集者の霧子によって推理され、特殊だったことに初めて気づかされるのです。

そして、父親である宮内彰吾は、その性質を知っていて、見開き全体で左右対称になるように小説を作ろうとした。

つまり、裏側のページの文字が透けないようにした。

『透きとお』る物語が完成するのです。

これは、実際に本を手にとって見てみないとわからないと思います。

そして、最後に「   」の文字が透きとおる

秀逸なタイトルです。